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Latest documentary "Oyster Factory" has been officially invited to Locarno International Film Festival 2015! 最新作『牡蠣工場』がロカルノ国際映画祭へ正式招待されました!

Wednesday, October 29, 2008

Festival Updates for MENTAL

MENTAL will be invited to the following festivals.
I'm attending Taiwan and Dubai for sure. I'll serve as a jury member in Taiwan, too.

Taiwan International Documentary Film Festival (Oct 31 - Nov 9, 2008)
http://www.tidf.org.tw/2008/en/programone.php?&uid=102&fcid=7
Asian Network of Documentary Section
Screening dates: Nov 3 at 19:30 and Nov 5 at 18:30

Dubai International Film Festival (Dec 11 - 18, 2008)
http://www.dubaifilmfest.com/
Competition Section
Screening dates: TBA

Jogjakarta Indonesia Documentary Film Festival (Dec 7 - 14, 2008)
http://festivalfilmdokumenter.org/
Screening dates: TBA

Buenos Aires Independent Film Festival (Mar 25 - Apr 5, 2009)
http://www.bafici.gov.ar/inscripcion.php
Screening dates: TBA

『精神』がこれから参加することが決まっている映画祭です。台湾とドバイには僕も参加します。台湾では、審査員も務める予定です。

台湾国際ドキュメンタリー映画祭 (Oct 31 - Nov 9, 2008)
http://www.tidf.org.tw/2008/en/programone.php?&uid=102&fcid=7
Asian Network of Documentary Section
上映日程: 11月3日19時30分 5日18時30分

ドバイ国際映画祭 (Dec 11 - 18, 2008)
http://www.dubaifilmfest.com/
コンペティション部門
上映日程:未定

ジョグジャカルタ・インドネシア国際ドキュメンタリー映画祭 (Dec 7 - 14, 2008)
http://festivalfilmdokumenter.org/
上映日程:未定

ブエノスアイレス国際映画祭 (Mar 25 - Apr 5, 2009)
http://www.bafici.gov.ar/inscripcion.php
上映日程:未定

Tuesday, October 28, 2008

共同通信とB&H



昨日(27日)はNYの3番街にある共同通信社で『精神』についてのインタビューを受けた。映画の話をしているうちに、話題は僕が左翼的な学生新聞の編集長だった時代や、思いつきでNYに渡った経緯などにまでさかのぼり、時間にして1時間半に及んだ(写真)。

最後の方で記者のK氏が、「これだけ話を詳しく聞いても、どれだけ紙面に載せれるかは分からないんですよ。新聞社は短い記事を好むので、長いとなかなか載らない。かといって短いと内容が伝わらない。そういうジレンマがあります」と言われた。

ドキュメンタリーと一緒だなと思った。『選挙』も120分フルバージョンはテレビで流れないので、52分バージョンを作った。映画を半分以下にするのには抵抗があったけど、フルバージョンをちゃんとキープするという前提なら、決して悪いことではないと思った。記事もいろんなバージョンを作れたらいいのかもしれないなあ。

インタビューの後、歩いてB&Hまで行き、MacBook Proを買った。実は最新型を買おうかと思っていたんだけど、Firewere400のポートがないし、ディスプレイがGlossyしか選べないので、ひとつ前の型を買った。しかも新型が発売されたお陰で、先週から数百ドルも値段が下がったそうで、めちゃくちゃお得な気がした。

B&Hでは仲の良い友達AがAppleの技術者として働いているので、あれこれ雑談しながら買い物できて面白い。僕があれもこれもとアクセサリーを買おうとすると、「それはXXがよくない」「そんなのOOで代替できる」となかなか買わせてくれない。増設メモリーも、「自分でやればタダだよ。オレが後で教えるから自分でやれよ」と言いはる。お前さん、この店の売上げに貢献しなくていいの?と思い途中から笑えてきた。友達とは、有り難いものである。

Friday, October 24, 2008

CaMPAIGN at MIT - cool japan!






MIT(マサチューセッツ工科大学)とハーバードのジョイント企画「Cool Japan」の一環として、MITで『選挙』の上映と質疑応答をしてきた。

僕とカミさんを呼んでくれたのは、MITの准教授で文化人類学者のイアン・コンドリー氏。ヒップホップやアニメを素材に日本文化を研究している面白い学者さんである。日本語も達者!どうしたらそんなことまで知ってるの?といぶかしくなるくらい、日本のポップカルチャーに精通しておられるので舌を巻いた。でもホントに気さくなお兄さんで、すぐに打ち解けた。

実は、『選挙』をベストコメディに選んでくれたライムスターの宇多丸さんや放送作家の古川さんともマブダチだそうで、世の中の狭さを実感したなあ。
http://playlog.jp/rhymester/blog/archive/200610

イアンさんのアニメのクラスにも参上し、一席ぶった(笑)。

また、軽い夕食を囲んで行われた学生さんとのレセプションでも、一席ぶった(笑)。みんな理系の学生さんだけど、質問も矢継ぎ早に出て、結構盛り上がった。

2泊3日のゆったりとしたスケジュールだったので、夫婦でボストンも堪能できた。真っ先に出掛けたボストン美術館で目をひいたのは、ゴッホの絵だった。『精神』の世界とめちゃくちゃ重なる。こんな所で知らぬ間に繋がっていたのかと、ちょっと驚いた。

そして、同じ部屋にあったドガのバレエ・シリーズは、僕が青年団を描こうとしているのと同じ発想だなと思った。いや、あっちが先だから、僕が知らぬ間に影響を受けていたということなんだろう。

意識しようとしまいと、芸術のジャンルは形を変えて何度も繰り返される。本当のオリジナルなんて、ないのかもしれない。そのことを人ごとのように実感させられた。

Monday, October 20, 2008

CAMPAIGN at MIT

Tomorrow (Oct 21), we're going to MIT in Boston to attend a screening of CAMPAIGN as a part of Cool Japan event. See you there!

明日10月21日は、ボストンのMIT(マサチューセッツ工科大学)で、『選挙』の上映と質疑応答をします。『選挙』のイベントに行くのは久しぶり!

Date: Tuesday October 21, 2008
Time: 7:00-10:00 PM
Location:
MIT 32-141 (Stata Center)
32 Vassar Street
Cambridge, MA
02139

http://web.mit.edu/cooljapan/events.html#1

Tuesday, October 14, 2008

予告編映画祭で4位! 4th Place at Trailer Festival

『精神』の予告編が、新作映画の予告編ばかりを集め横浜で行われた「予告編ZEN映画祭」で、35作品中、第4位に輝きました。
http://www.trailerfes.jp/pg56.html

以下、予告編映画祭による講評です。「本来、硬派で、とっつきにくい印象を与えがちですが、「精神」は小気味よい米国映画的な編集手法で、観る者をいつのまにか作品に引き込みます。2008年釜山国際映画祭では最優秀ドキュメンタリー賞を受賞しました。」

『精神』の予告編はこちら。
http://www.laboratoryx.us/mentaljp/trailer.html

Friday, October 10, 2008

バラエティ・ジャパン Variety Japan

受賞について、バラエティ・ジャパンに記事が載りました!
An article about the award is on Variety Japan (in Japanese)

http://www.varietyjapan.com/news/movie/2k1u7d00000ehb78.html

受賞についてのプレスリリース

日本の配給を担当するアステア社からのリリースです。

ーーーーー

ドキュメンタリー映画『選挙』(観察映画第1弾)で話題を呼んだ想田和弘監督の観察映画第2弾『精神』(135分、カラー、2008年、ラボラトリーX社製作、英語題名:MENTAL)が、10月2日から10日まで開かれているアジア最大規模の第13回釜山国際映画祭で、最優秀ドキュメンタリー賞(PIFF Mecenat Award)を受賞。想田監督には、賞金1千万ウォンが贈られました。

本作は、アジア発のドキュメンタリー製作を支援する釜山国際映画祭AND基金の助成を受け、この秋完成。同映画祭のワイド・アングル・セクションのドキュメンタリー・コンペティション部門に正式出品され、世界初公開を遂げていました。3日と6日に行われた上映はいずれもチケットが完売。上映後の質疑応答では、観客から質問や意見が殺到し、予定していた40分間を大幅に超過し90分間に延長されるほど、白熱しました。

『精神』は、岡山県岡山市にある精神科の診療所を舞台に、患者や医師、スタッフ、ヘルパーなどが織りなす複雑な世界を赤裸々に描いた長編ドキュメンタリー映画。『選挙』同様、ナレーションやテロップなどによる説明や音楽を一切使わず、心の病に苦しむ人々の素顔や彼らを取り巻く世界に肉薄しました。

想田監督は受賞について、「全く期待していなかったので驚きましたが、大変光栄です。勇気を持って素顔で映画に出てくれた患者さんたちや、撮影に全面協力してくれたスタッフの皆さんに感謝しています。」と話しています。

日本での公開は、2009年の初夏を予定。『選挙』も手がけたアステアが配給・宣伝を担当し、東京のイメージ・フォーラムを皮切りに全国の劇場で順次公開する予定です。

MENTAL won at Pusan 釜山で最優秀ドキュメンタリー賞!




『精神』が釜山映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞(PIFF Mecenat Award)をいただきました。すごく嬉しいです。

実は今日の閉会式に出るため、釜山に舞い戻りました。
明日、日本へ帰る予定です。

審査員による受賞理由の説明は、次の通りです。

<「正常」と「『正常』によって『異常』と呼ばれるもの」の間に幕を引くのがこの映画の趣旨である。しかし、それだけではない。山本医師の診療所という美しい劇場の幕があき、喜びと悲しみを湛えた美しい人物たちがゆっくりと世界を膨らます。>

MENTAL won the best documentary award (PIFF Mecenat Award) at Pusan International Film Festival! I'm so happy.

I returned to Pusan to attend the closing ceremony tonight.
I'll return to Tokyo tomorrow.

NOTE by Jury:
To draw the curtain between normality and what normality calls abnormality is the purpose of this film. But more than that, the curtain is drawn upon a beautiful theater, Yamamoto’s office, where beautiful characters slowly enlarge the world with their joyful sadness

Photos by PIFF

Wednesday, October 08, 2008

World-Premiere at Pusan




We're back from Pusan Film Festival after a busy, fruitful 5-day-trip.

The main event for me was the screenings of MENTAL on Oct 3 and Oct 6. It was the world-premiere. Both screenings were sold-out with lots of young audience in 20's. The Q&A session after the screening on 3rd was remarkable - it was supposed to be 40 minutes, but it lasted for an hour and a half with lots of questions and comments until people almost missed their last train. It was joined by some staff members of Chorale Okayama Clinic and Kicchako, the organizations where the film was shot.

Unlike Q&A of CAMPAIGN where I and Yama-san spoke like stand-up comedians, the Q&A session of MENTAL was more serious with some tears in the audience. Every question was so deep and heavy that I felt I cannot answer lightly. Especially, I was moved when one of the audience members said crying in tears, "I'm suffering from depression, and have not been able to go outside for a long time. But my doctor suggested that I try to attend Pusan Film Festival everyday to watch films. The first ticket I bought was of MENTAL, and I'm glad I did that because it was really touching and enjoyable as I expected. I want many people to see your movie."

There was no Q&A after the 2nd screening, but a lot of viewers came up to me crying in the lobby and thanked me for making the movie. Many of them confessed to me that they suffer from mental illnesses. I was really surprised and thrilled because I was most worried about the reactions of people who are ill. A young girl crying in tears said to me that she had never seen such a film and would never forget about today, which made me cry, too.

One of the ladies said that she suffers from illness for 20 years now, and tried to kill herself for so many times. She seemed to love the film so much and thanked me so many times, so I thanked her back many times. Using her mobile phone, she called her sister living in Japan and let me speak to her as well. She said she is also suffering from illness explaining their hardships in their childhood, and promised me that she will watch MENTAL when released in Japan.

To be honest, I was a bit worried that viewers who are ill may end up feeling worse if they watched this film. I was also worried that some people may criticize me that I'm exploiting sick people by showing the film. But I got the feeling that the audience who enjoyed and appreciated the film most were patients. Now I finally feel that I'm glad that I made this movie.

By the way, MENTAL is in Documentary Competition. They will announce the winners in the closing ceremony on October 10th.


釜山国際映画祭から帰って来た。駆け足の釜山滞在だったが、実り多かった。

メイン・イベントは、10月3日と6日に行われた『精神』の上映。世界で初めての公開である。幸い2日ともチケットは完売。釜山映画祭らしく、20代らしき若い層が多かった。3日の上映後に行われた質疑応答は、観客からの質問が矢継ぎ早に出て来て、予定の40分を大幅に超過。終わってみれば終電ギリギリまで1時間半も続いた。映画の舞台となったこらーる診療所や喫茶去のスタッフも駆けつけてくれて、本当に白熱した。

『選挙』のときは、上映後の質疑応答は僕と山さんの漫才のごとく進んだが、『精神』は内容が内容なだけに、笑いながらも涙ぐむ人が多かった。どの質問も深く重い内容で、「答える方もいい加減なことは言えない」と背筋がピンとなる思いだった。特に、とある若いお客さんが「鬱病でずっと家の外に出られない状態でしたが、医師と相談して、釜山映画祭に一週間通い続けることを目標にしました。そして最初に買ったのが『精神』のチケットでした。期待通りの映画で、感動しました。大勢の人に見てほしいです」と涙ながらに言ってくれたのが、印象的だった。

2回目の上映後は、質疑応答の予定はなかった。でも、ロビーで大勢のお客さんが僕に近づいて来て、目に涙を浮かべて「この映画を作ってくれてありがとう」と言ってくれた。その多くは、心の病を患っておられることを僕に告白した。僕は患者さんたちの反応が一番心配だったので、びっくりするやら嬉しいやら。「こんな映画は初めてです。今日のことを一生忘れません」と、止まらない涙に胸を詰まらせながら話してくれる人もいて、僕も思わず涙ぐんでしまった。

ある女性は20年間も心の病気を患っており、何度も自殺未遂を繰り返したという。よほど映画を気に入ってくれたようで、僕に何度もお礼を言うので、僕は「こちらこそ感謝しています」と繰り返した。彼女は日本に住んでいるお姉さんにその場で国際電話をかけ、僕にも代わってくれた。お姉さんも鬱病だそうで、電話口で、苦しかった家庭環境など病気になった経緯を教えてくれ、「日本で公開されたら絶対に観ます」と言ってくれた。

実は、病気の人がこの映画を観たら、病気がもっと重くなってしまうのではないか、と僕は密かに心配していた。また、「お前は病人を晒し者にするのか」という反発を受けるのではないか、という懸念も抱いていた。しかし実際には、一番この映画を熱心に、熱烈に観てくれたのは、患者さんたち当事者だったのではないか。この映画を作って良かったと、心の底から初めて思えた瞬間だった。

ところで、『精神』はドキュメンタリー部門のコンペに入っている。賞の発表は10日の閉会式で。